2014年7月21日月曜日

【食べ歩きレポート】トラットリア タンタボッカ(北参道)

起き抜けに思わず「しまった!」と叫んだ土曜日の昼過ぎ。

前日から今日は絶対どこかに美味しいランチを食べに行こうと決めていたのに、目が覚めたらすでに13時近くになっていた。
ああ、なんということ。
渋谷のフレンチレストラン decoに当たりを付けていたのだけど、支度を終えて出かけると、あちらに着く頃にはランチタイムのラストオーダーの14時を過ぎてしまう。

仕方がないので今日のところはdecoは諦め、14時以降に入店可能な都内(世田谷~山手線の左半分のエリア)の美味しいランチスポットを探す。
しかし、人気店だとランチタイムは14時頃までにオーダーストップしてしまうところが多いので、お店探しはなかなか難航。
しばらくiPhoneと睨めっこして、食べログで見つけた北参道にあるイタリア料理のお店、トラットリア タンタボッカ(Tanta Bocca)に行ってみることにする。
このお店のランチタイムのL.O.は14時半なので、ギリギリ滑り込めるはず…!
なんでもお肉(特に牛肉)が売りのイタリアンらしく、ここのところ美味しいお肉に飢えていた私はがっしりと心を鷲掴まれた。
ディナーではA5和牛なども頂けるらしい。



お店は北参道駅の1番出口を出て、明治通りを右に進むと道の左側にすぐに見えてくる。


通りに面しているピンクがかった卵色の壁には、オリーブの木の絵とtrattoria Tanta Boccaの文字が。


赤と白のストライプ柄の屋根が目を引くので、非常にわかりやすい。


中に入ると、火が入ったトマトや香味野菜のいい匂い…!
思わず顔がほころんでしまう幸せの匂いだ。
店内の雰囲気は、オステリアやタヴェルナよりはよそ行き、かといってリストランテほど肩肘張る必要もなく…いい意味でTHE・トラットリア(大衆向けのレストラン)という感じ。
黄色、オレンジ、赤など全体的に暖色でまとめられた店内は、とても温かくて親しみやすい。
外壁と同じ赤みがかった卵色の壁に飾られた絵付けタイルの原色の彩りが鮮やか。
窓際にはガラス張りのサンルームのような席があって、晴れた日には気持ちよく過ごせそう。
店内には適度な喧騒と活気がある。
若い店員さんたちも威勢が良くて、とにかく元気元気。飛び交うイタリア語も耳に心地良い。
なんだかこの空間にいるだけで気持ちが明るくなりそう。
やっぱり、トラットリアはこうでなくっちゃね。

私が入ったのは14時過ぎだったけれど、その時点でも店内はほぼ満席。さすがは人気店。
予約はしていなかったけれど、運良く2人掛けのテーブルがひとつ空いていたのでそこに通される。
客層は家族連れにカップルに友人同士に…実に多様。
一人で来ているのは私くらいだろうか、確かに親しい人とわいわい賑やかにテーブルを囲むのがいかにもふさわしいお店だ。
でも、一人でも決して居心地は悪くない。席と席の間隔が適度に離れていてなかなか寛げる。

テーブルの上にはお冷が水の入ったボトルごと置かれていて、こんな暑い日には嬉しい。
ランチメニューは1030円(前菜+パスタ)のセットから3600円のシェフおまかせコースまで何種類かの設定がある。


今回私がオーダーしたのはこちら⬇︎

ランチコース (2060円)

・前菜
・パン(おかわり自由)
・パスタ
・メイン(肉か魚か選択)
・デザート
・食後のコーヒー

パスタは5種類から選べる(全て希望すれば生パスタに変更可能)。ワタリガニのトマトソースやら魚醤とレモンやら…どれも美味しそうで散々迷った挙句、和牛ミートソースのスパゲティに決める。
メインは肉料理(本日は豚ロースのスカロッピーネレモンバターソース)をチョイス。
お肉がイチオシのお店ということなので、肉尽くしでいくことにする。

おや。
ランチメニュー裏面のドリンクメニューを見ると、グラスワインがなんと420円!


赤でも白でも泡でも420円…と聞いたら、まずはとりあえず泡を頼むしかない 笑
料理と一緒にグラススパークリングワインも注文。

ワインはすぐに運ばれてきた。
フレッシュな杏のようなジューシーな甘酸っぱさとピリリとしたドライな辛さが同居する、夏に似合うスパークリング。


晴れた日に太陽の下で飲んだら、きっと更に美味しく感じられるんだろうな。

ワインとほぼ同時に出された丸いパンはほっこり温かく、噛みしめると香ばしい全粒粉の味わいをしっかりと感じられる。
おかわり自由なのが嬉しい。
素朴で飽きのこない美味しさで、うちに買って帰りたいと思ったくらい。


添えられていたクリーム状のバターは燻製になっていて、すごく香りがいい。
パンにユニークなバターを添えて出すお店はたくさんあるけれど、燻製バターというのは初めて。面白い。


そして、畳み掛けるように前菜が登場(このお店のサーブはとにかくスピーディー 笑)。


「前菜のバーニャカウダです」


???





バーニャカウ、ダ……?

目の前に出された一品は、少なくとも私が知っているバーニャカウダとは違う料理だ。
どっかりと盛り付けられた大きなくし切りの野菜たちは、まるでこれから調理するためにとりあえずお皿に並べられた材料のような…(失礼)
野菜の下に敷かれた薄茶色のソースらしきものはバーニャカウダソースだろうか。
ナイフで切り分けて口に運んでみると、野菜がどれも甘い。
キャベツ・ナス・カボチャなんかは蒸してあるようで、とても甘みが濃い。
アンチョビとニンニクが効いた塩気の濃いバーニャカウダソースをつけて食べるとちょうどいい。


続いて、えもいわれぬ良い香りとともに熱々の和牛ミートソースのスパゲティが運ばれてきた。


ミートソースには指先ほどの大きさの牛肉の塊がゴロゴロ入っていて、噛みごたえがある。
牛の赤身肉の味わいと凝縮されたトマトの味と香味野菜の旨味が詰まったミートソースは、もちもちの生パスタによく絡む。
うん、これは美味しい。
セットメニューのパスタだからといって少ないということはなく、分量はちょうど良かったけれど、これなら+210円で大盛りにしてもらってもよかったかもしれない。

スパゲティと一緒に注文したグラス赤ワインは適度な凝縮感と渋みがあり、胡椒やユーカリのようなスパイシーな香りのあるワイン。ミートソースの牛肉の香りにマッチする。


本日の肉料理は豚ロースのスカロッピーネ。


薄切りのロース肉をレモンバターソースでさっぱりと頂く。レモンの香りと酸味が効いたソースだけど、決して刺々しくない。
たっぷり添えられたホウレン草のソテーをこのソースに浸して食べると、とても美味しい。
お肉が売りのお店にしてはいささか肉肉しさに欠ける肉料理のような気がしないでもないけれど、爽やかで夏らしい一品だと思う。


デザートのオレンジソースがかかったマンゴームースはいまいち。
某ファミレスで見かけるような絵皿の上に、これでもか!というぐらいでーんとムースが乗っていて、とにかく量が多い(写真では実物の大きさが伝わらないのが残念!)。


美味しくないというわけではないけれど、クリーミーでいささか単調な味なのでこれ単品ではすぐに食べ飽きてしまう。
これなら出された量の1/3も食べれば十分かな…
デザートと一緒に飲んだコーヒーは、香ばしさが立っていて美味しかった。 




今回頂いたランチコースは一皿一皿ボリュームがあり、食べ終わる頃には満腹で少し苦しいくらいだった(特に最後のムースが効いた )。
これで2060円とはかなりのCPの高さ。

というわけで、とても楽しい休日ランチ(ブランチ)だった。
…が、お店の方のサービスに関してはちょっと不満が残る。
ランチタイムも終わりの頃だったので、店員さんたちは徐々にディナータイムの準備を始めていたのだけど…まだ食事をしている人がすぐ側にいるところで、ばっさばさと何枚もテーブルクロスを広げるのはいかがなものかと。埃が舞ってしまう。

気取らないフレンドリーなサービスは素敵だけど、そういった「カジュアルさ」というのは「雑さ」と紙一重だと思う。
その点、少々残念だった。



次に来る時は、是非よく晴れた日に時間に余裕をもって気の置けない友人たちと一緒に訪れたい。






⬇︎ブログランキングに参加中です。 よろしければぽちっと押して頂けると嬉しいです。
にほんブログ村 グルメブログへ



トラットリア タンタボッカイタリアン / 北参道駅代々木駅千駄ケ谷駅
昼総合点★★★☆☆ 3.7

0 件のコメント:

コメントを投稿